3.表面処理技術の関係を視覚的に分類してみよう
【1.表面処理技術を『寸法の増減』で分類してみよう】と【2.様々な研磨手法の概念を理解しよう】で説明しました表面処理技術を、図示してみましょう。
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ここで示すのは、あくまでも寸法と表面処理原理に注目した分類です。
ここで言う『太る』『変わらない』『痩せる』の寸法は、『変わらない→±1μ以内』として、『太る』はそれ以上(または何かをくっつけている)、『痩せる』はそれ未満(または何かを削り取っている)と考えてください。
しかし例外も数多くあります。
極薄いメッキやPVDでは1μ以下なんて場合もあるでしょうし、酸洗いでもやりすぎればミリオーダーで痩せてしまうこともあります。
さてここで、この図の『化学的』で『痩せる』グループに注目してみましょう。
『ネプロス処理』のほかに『A社化研』とか『B社化研』というようなオレンジ色の囲みがあり、これが全て『化学研磨』を示しています。
こうすると『電解研磨』と『ネプロス処理(化学研磨)』が同じグループに属しているのがおわかりでしょう。
さらにくわしく次項でも説明していますので、そちらもご覧ください。
では『ネプロス処理』と、その他『A社化研』や『B社化研』との違いは何でしょう?
例えば「35wt%塩酸を10wt%に希釈した水溶液に鉄を3分間、室温で漬け込んで溶かして」と伝えれば、言われた方は正しくその作業を行うことができるでしょう。
しかし「鉄を酸に溶かして」とだけ言ったのでは、どんな酸にどんな濃度でどれくらい溶かしたらいいのかわかりませんよね?
実は『化学研磨』と一口に言っても、そのやり方はその業者ごとに違うと言っても過言ではありません。
どんな薬液を使うのか、どんな治具を使うのか、どれくらいの時間で処理するのか、前処理や後処理はするのか、乾燥はどんな方法を採用するのか、などなど、これらの条件の違いが、仕上がりの違いの原因になりうるのです。
そこで数ある『化学研磨』の中で、横浜ネプロスが製造した化学研磨光沢剤を使った処理のことを『ネプロス処理』と定義し、他社の化学研磨と区別しているというわけです。
『横浜ネプロス』では、お客様から試験ピースやワークをお預かりして最適な処理液や処理条件を見つけ出す事前評価を行っており、しかもその内容は可能な限りそのお客様に開示しています。
ですから、お客様はワークに適した化学研磨光沢剤をその処理条件データ付きでお求めいただけますので、ご自身で余計な試作を行わなくて済みます。
また、ご必要とあらばたとえ海外でも、技術ご担当者をはじめ現場オペレータへの技術のご指導に伺っています。
これが『単なる化学研磨』ではない『ネプロス処理のネプロス処理たる所以(ゆえん)』なのです。
2.様々な研磨手法の概念を理解しよう 『ネプロス処理ABC』 → 4.ネプロス処理(化学研磨)と電解研磨の違いを知ろう
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